前回ルネサンス期に活躍した芸術家ミケランジェロについて、半球偏り、太陽と月のブレンドの点から考察しました。
北東(IC,ASC)への天体の偏りから、自己防衛的で幼少期の未解決の問題がある可能性が示唆されますが、逆に言えば芯は強く内省的です。
ミケランジェロの人生の目的・生命エネルギーを表す太陽は、3ハウスにあります。この魚座太陽に9ハウスの乙女座冥王星がオポジション(180度)を形成しています。
冥王星は大きな力、強制力、破壊と再生がキーワードです。人生や自己表現において非常に大きなインパクトを与える力として働きます。
乙女座は洞察力に優れ他人にも自分にも厳しく、完璧を目指します。
ミケランジェロの、神業ともいわれる息をのむほど美しい作品は、究極です。魚座の見えないものを求める繊細なエネルギー(太陽)とモチベーション(火星)、緻密で完璧主義な乙女座の冥王星の潜在能力を最大限に発揮した形だと思います。
7ハウスの土星逆行は、幼少期に何らかの理由で然るべき父親像を得られなかった可能性が示唆されます。父親と疎遠であったり、父親が家庭内で独裁的であったり、状況は様々です。
芸術に没頭していたミケランジェロは、学問を学ばせようとする父との間に葛藤がありました。家柄を誇りにする父からすると、画家や彫刻家は身分の卑しいただの職人だったためです。
しかし太陽オポジション冥王星の力は極端な力です。0か100です。やるかやらないかどちらかしかなく、中途半端な選択肢はありません。父の反対を押し切りミケランジェロは意志を貫き通し、芸術家の道を選びました。
天秤座のドラゴンヘッド(ノード軸)は7ハウス蟹座の土星とタイトな90度を形成。母親は身体が弱かったため、ミケランジェロは生まれてまもなく親戚の大理石工の家に里子に出されています。その母親はミケランジェロが6歳の頃に他界しています。
土星とのハードアスペクトは、後に成人してからも人間関係に積極的でなかったことは、母親の愛を十分に受けることなく幼少期を過ごしたことが影響していると言えます。
死ぬ直前まで芸術に没頭していたミケランジェロ。神との繋がりを求めて自分が完璧だと思える納得のいくものを作り続けました。
コメント