今回は卵巣がんのケースを、占星術の視点から見てみたいと思います。

水星・マインドの強さ
この方の出生図で最も特徴的なのは、水星の強さです。
・乙女座の水星が1ハウス
・双子座の月がMCにコンジャンクション
・MCのファイナルディスポジターが水星
乙女座と双子座という、水星に支配されるサインの強調により、
・観察し分析・整理する力(乙女座)
・好奇心旺盛で多様化を好み、言語化・伝達する力(双子座)
非常に高いレベルでの発揮が考えられます。
実際に、教師として長年多くの学生に影響を与え、より良い教育を求めて思想やオルタナティブ教育への探求にもその力が活かされており、「現実を理解し、言葉にして伝える」ことが人生の軸になっているホロスコープです。
心理構造:愛情と距離のテーマ
一方で、感情面では葛藤も見られます。
獅子座金星に対する逆行の山羊座土星のクインデチレ、蠍座海王星からのスクエアは、
・愛情を受け取ることへの抑制(土星)
・理想化や境界の曖昧さ(海王星)を示唆します。
また、12ハウスでの太陽と冥王星のコンジャンクションは、無意識レベルでの強い緊張と深いテーマを抱えています。
この配置は、
・抑圧やコントロールの体験
・見えない領域での葛藤
・人生を通じた根底的な変容 を示唆します。
幼少期においては、上記の配置から父親像の不在を、ノード軸と天王星合の配置から、母親との情緒的距離が考えられます。
12ハウスでの冥王星コンジャンクション太陽は、極限からの再生力を示唆し、
「不可逆的な変容を通して、本質的に生まれ変わる力」を意味します。
12ハウスにあることで、病や無意識の領域、コントロール不能な出来事と結びつきやすく、人生の中で「避けられない変容」を経験しやすい配置です。
健康面の示唆と卵巣がん
健康面では、12ハウスの太陽×冥王星
金星に対する土星・海王星のハードアスペクトから、
・生殖器系(卵巣)
・ホルモンバランス
・自律神経 のテーマが強調されています。
占星術では、卵巣は、蠍座(生殖・深層)、天秤座(女性性・バランス)と関連づけられることがあります。
それまで大きな病気とは無縁だったクライアントですが、2022年、卵巣がん(ステージ4B)が発覚します。この時期の天体配置は非常に象徴的です。
・SA(ソーラーアーク)海王星=太陽
・トランジット海王星が月にスクエア、ASCにオポジションを形成
海王星は、境界の溶解、見えない形で進行するものを象徴します。トランジット海王星は月(身体感覚・感情)、ASC(肉体・自己認識)に強く関わることで、身体の違和感や不調がはっきり捉えにくい状態が強調されていました。実際、(誤診であった)大腿ヘルニアの手術入院をきっかけに初めて病気が明らかになっています。
水星・マインドの強さ
この方は、こうした状況に対しても、非常に強い水星の力で「分析・理解し、より良い状態へ工夫する」姿勢を持ち続けました。
・がんについて学ぶ
・様々な治療法を比較する
・食事療法や代替医療を取り入れる
さらに、自らのアイデンティティ=がん患者に留めることなく、治療をしながら
・日本語教師資格の取得、新しい職場での活躍
・思想の探求
・長年の趣味の継続 を行っています
再発と心身の再編成
2024年に再発後、腸閉塞を発症し入院、小腸に人工肛門を設置することになります。
この時期には、
・トランジット海王星の影響継続
・トランジット土星が月にスクエア、ASC・水星にオポジション
・SA(ソーラーアーク)土星=水星 が重なっていました。
土星は、長期的な目標達成を示唆する一方、制限、身体的制約も示唆します。それが月やASC、水星に関わることで、身体機能の制限や消化器系への負担として現れやすくなります。
「第三の人生」という捉え方
非常に印象的だったのは、ご本人の認識です。人工肛門の設置を、「第三の人生の始まり」として受け止めていました。これはまさに、太陽×冥王星の象意である極限からの再生そのものです。
このケースでは、
・水星(乙女座・双子座)の強さによる理解力と行動力
・太陽×冥王星による根源的な変容力
・海王星・土星・冥王星の時期的関与 が重なり、
病という形で人生の深いテーマが現実化した例といえます。
占星術は病気を断定するものではありません。
しかし、人生の流れ、心理的背景、出来事の意味を読み解くことで、その人の生き方を深く理解する手助けになります。
このケースで印象的だったのは、どのような状況でも思考を止めず、より良い状況へ工夫し続けること、非常に強い生命力です。

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