エドヴァルド・ムンクといえば「叫び」の作者として
世界的に有名なノルウェー出身の画家です。
先日ノルウェー旅行中にムンクの作品を観てきました。
ムンク美術館、オスロの国立美術館、市庁舎、KODEベルゲン美術館等
「叫び」以外にも沢山の作品がありました。
ムンクの作品は度々、生・愛・死・それに伴う不安が描かれています。
人間の内面を生々しく描いた作品は、心にぐっとくる訴えてくるものがあります。
1863年12月12日 – 1944年1月23日(80歳)
ノルウェー
出生時間が分からないので、正確なリーディングはできませんが、
鑑賞者を惹きつける力が気になったので出生図を見てみました。
太陽は射手座、月は山羊座です。
まず目につくのは
蠍座火星とノースノードがタイトに合、
山羊座月と天秤座土星のスクエアです。
母親が精神的・物理的に不在で、十分な愛が与えられなかった
もしくは躾に厳しい母親像が示唆されます。
特に山羊座の月なので、幼少期から一人の人間として自立すること
ゴールを目指し達成することが優先され、責任を感じやすい一方で
情緒的発達が疎かになる可能性があります。
ムンクは5歳の時に母を結核で亡くし、その9年後には姉が亡くなっています。
20代でデッサンを学ぶためパリに留学していた頃、
作品のテーマとなる「生・愛・死」に向き合う決意が手記に残っています。
「もうこれからは、室内画や、本を読んでいる人物、
また編み物をしている女などを描いてはならない。
息づき、感じ、苦しみ、愛する、生き生きとした人間を描くのだ。」
蠍座の火星と牡牛座の冥王星のクインデチレは、
人が見ないようにしているドロドロした深淵な世界を
徹底的に追究していく姿勢です。
身をもって経験した生と死による孤独と不安、
だからこそ分かる愛が何度もテーマになっています。
30代初めには、医師であった弟が肺炎で亡くなり、
妹は精神病院に入院しています。
この不幸の時期、作品「死の床」「不安」が再びハイライトされています。
35歳の時、交際していた女性と小競り合いの内に、
ピストルが発射され、ムンクは左手中指の第二関節を
打ち砕くけがをしています。
(Tr海王星が太陽オポジション、Tr天王星が火星合、Tr土星が太陽合)
ムンクの作品の評価は高まる一方で、
若い頃からの生への不安、人間関係の問題等が
アルコールへの逃避に繋がります。
45歳の時、活動していたベルリンを去り、
アルコール依存症を治すために精神病院に8か月入院しています。
この頃、出生図で天王星とオポジションの水星に、
Tr土星とTr冥王星がTスクエアを形成しています。
これまでの思考パターンではにっちもさっちもいかなくなり、
リセットして一からやり直すことと重なります。
耐えきれないほどの不安と向き合い続けたからこそ
観る人の心を動かすでしょう。
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